区間乗車は結構ありますが、全区間を乗るのは初めてです。
駅弁を買い込み10番ホームへ。見ると383系が停まってましたがこの列車が「しなの1号」になるのではなく、回送幕のまま数分ほどして東京方へ出発していきました。
6時50分、再び383系が入線。
これが長野行き特急「しなの1号」でした。383系に最後に乗ったのは大阪行き急行「ちくま」以来…以降は車で木曽付近を走っていると振り子を利かせながら走っている姿しかみてませんので、実際乗るのはちょっと楽しみです。
国鉄時代のままのヘッドマークもいいですねぇ…
初めての「しなの」ということでグリーン車を奮発。なかなか厚みのあるシートで外観の華奢さとは対照的に重厚さを感じさせます。
きっぷ購入時、前の方をとリクエストしましたが最前列は埋まってるらしく、真ん中あたりをアサインされました。後で行ってみますか…
7時丁度、発車。次の千種出発したあたりから加速し始め、容赦なくカーブに突っ込んでいきます。
庄内川を渡り、いよいよ名古屋ともお別れ…上りホームは名古屋へ向かう通勤通学客で一杯でしたが、こちらは僕含めグリーン車は3人…優雅です。
このあたりで朝食。
名古屋駅の復刻幕の内と奥三河の地酒「蓬莱泉」。「ひつまぶし」や「味噌カツ」といった弁当も好きですが、ゆっくりお酒を呑みながらだとやはりおかずの多い幕の内は強いです。
古虎渓を過ぎて岐阜県入り。トンネルを抜けると
多治見着。ここも名古屋へ向かう利用者がホームに並んでいましたが、「しなの」に乗る客は自由席を中心にパラパラ…土岐市を過ぎると雪が降ってきました。
東濃はうっすら雪化粧…さきほどの名古屋はカラッとした感じでしたが、わずか40分でこの風情。だから旅は止められません。
7時48分、中津川着。雪がいい具合に降ってます。このあたりになると名古屋へ向かう通勤通学客もまばら…
田立を過ぎて長野県に入ると
木曽川が車窓の友になります。いつも下流のだだっ広い木曽川しか見ていないので、急峻な雰囲気を見ると「友達の意外な一面を見た」ような気になります。
十二兼で上り「しなの」と交換のため運転停車。いよいよ木曽路へ。
車窓の雰囲気がよくなってきたので最前列を「表敬訪問」
…雪をまとった路盤がズンズン迫ってきてダイナミックです。やはり何歳になっても男はこういう風景に憧れます。
そしてお約束の
木曽の名勝「寝覚の床」を俯瞰。ここを見るのは初めてですが雪景色もあいまって、まるで墨絵のような美しさです。
酒を傾けながら木曽をいく…なかなかの贅沢です。
8時半、木曽福島発車。
…思ったのですが、振り子式電車ということでブンブン振り回されるかと思っていたのですが、意外とそういう事はなく、カーブに切り込んでいくという感じ、ですかね。
依然乗った「やくも」は結構ガツンと来る振り子だったのですが、今乗ってる383系はそんなこともなく、やはり技術は進んでいるのかなと思いました。
贄川を過ぎると木曽路も終盤…日出塩で豪快に雪煙を上げて走る上り「しなの」とすれ違い、
8時59分、塩尻着。ワインどころらしく、ワインの樽がお出迎え…ここからはJR東日本エリアとなり乗務員も交代。JR東日本の長野総合運輸の乗務員が終点まで乗ってきます。
9時10分、松本着。
手前の自販機がアキュレなので東日本エリアなのは判りますが、停まってる列車が313系…まだ東海エリアにいるのかと錯覚します。
松本を出ると、今度は犀川が車窓の友に…いずれは千曲川と合流し大河川の信濃川になるのですが、今は中信の穏やかな川です。
西条で上り「しなの」と交換のため運転停車。木曽路ほどの雪はありませんが、それでもうっすらと線路を白く染めており風情があります。
トンネルを抜けて、長野盆地(善光寺平)が一望できる位置にきた頃、
姨捨、桑ノ原信号場と「見所」を通過。国内でも数少なくなったスイッチバック式の駅と信号場で、立て続けに通るこのあたりは、鉄道マニアにとっては「見所」な訳でして…
あ、勿論景色も堪能しましたよ(笑)
9時56分、篠ノ井発車。側線に集うタキ車に見送られながら…
北陸新幹線とともに犀川を渡り、
10時4分、終点の長野に到着。
3時間じゃ降りるのが勿体ないくらい、景色と乗り心地が良かった「しなの」の旅でした。