出張の締めくくりは、「未乗」の特急列車で…
コウノトリは但馬の方にしかいない鳥なのですが、何故か福知山始発のこの列車も名乗っています。
行きの「まいづる号」は287系でしたが、
この列車は289系が充当されています。
何処かで見たような顔だな…と思ったら、北陸筋で走っていた683系を流用したもので、交流機器を取り外したタイプだそうです。
そして黄色いのも、
明智光秀ゆかりの福知山にちなむラッピングがなされているためでした。
もともと白っぽい電車なのでラッピングの融通は効きやすいのでしょう。
締めくくり、ということでグリーン車を奢っでみました。といっても「e5489」の割引があるので、普通指定に少しプラスするくらいで乗れてしまうので、お得感があります。
3人ほどが乗り込み、18時定刻に発車。
土師川沿いに走り、長いトンネルを抜けて兵庫県へ。
福知山で仕入れたコンビニ弁当で夕食。終わった頃の20分に最初の停車駅・柏原着。
普通車指定席あたりでは何人かの乗車はあったようですが、グリーン車はゼロ。
加古川線が合流する谷川を通過する頃にはとっぷり日が暮れて…
篠山川沿いにジリジリと進み、
40分、篠山口着。
グリーン、普通車ともに乗降ゼロ。ホームはシーンと静まり返って…
反対側には福知山行きの「丹波路快速」が発車待ちをしていました。
1分ほど停まって発車。
複線区間には入ったものの、飛ばす風ではなく南矢代、古市は流すように通過。
並走するクルマは抜いていますが、
平坦になった藍本あたりでも、終始まったりとしたスピードで緩く走ってました。
草野を過ぎたあたりで
ようやく特急らしいスピードに。
新三田の電留線を過ぎてほどなく、
19時、三田着。
ホームには客の列が出来てましたが、こちらに乗ってくる気配はありません。この列車の後を走る普通列車を待っているようです。
道場からはトンネルが連続するため、車窓的にはつまらないところですが、
こうしてトンネルとトンネルの合間にある武田尾や西宮名塩で光のスジがさっと通過し、いいアクセントになってます。
14分、宝塚着。
普通車からはまとまった降車がありましたが、グリーン車は相変わらず…
ホームの人の多さに「帰ってきた」感が湧いてきます。
川西池田を通過。
ここが自宅最寄りなのですが、ここに記事を書くときは極力「始発」から「終点」まで通しで乗る、ということに拘っているため、あえて通過することを選んでいます。
それにしても見慣れているはずの駅なのですが、こうして通過すると何だか他所の町を旅している気分です(笑)
30分、尼崎着。特急停車は朝の便くらいだけだろうと思っていただけに、まるでかつての急行「丹波号」に乗ってるようです(国鉄時代の特急は全て通過)
淀川の轟音を聞きながら、
37分、大阪着。グリーンから1人が降りていきました。
「この列車は新大阪行きこうのとり号です。サンダーバード号ではごさいません…」
こういう放送が何回か流れましたが、なるほどここは長距離列車用ホームで、サンダーバード号待ちの客がたむろしていました。
44分、定刻に終点の新大阪に到着しました。
ホームに降りると「ワッ」という喧騒が耳に飛び込み、なんだかドキドキします。
* * * *
僕は福知山線の特急としては「北近畿号」によく乗ったものですが、その「北近畿号」が新型車両投入とともに「こうのとり号」に変わりました。
今回乗った「24号」は比較的停車駅の少ない「速達タイプ」の列車でしたが、早朝や深夜になると様々なパターンの停車駅を持つ列車が設定されます。
かつての「北近畿号」が丹波北部の福知山線各駅の利用者をフォローしていたように、「こうのとり号」も同じように様々なニーズに応えており、今や福知山線に無くてはならない列車として沿線利用者からは認識されているようです。
車両は変われど、国鉄特急時代のDNAを受け継ぐものとして末永い活躍を期待します。