京都丹後鉄道 331D

舞鶴での仕事が早く終わったので、帰りのルートに趣味分を「盛って」みました。

北近畿タンゴ鉄道時代にはホントに僅かな区間を乗ったことがあるだけなので、今回の乗車はほぼ「初」と言えます。

西舞鶴駅の駅員さんに、

「そういう感じで乗り継ぎされるのなら、フリーきっぷがお得ですよ」

と勧められ、勢いで購入しホームへ。

峰山行きはすでに入ってました。

北近畿タンゴ鉄道時代からの車両のハズですが、京都丹後鉄道になって「それらしい」感じの雰囲気になってます。

転換クロスシートが並ぶ車内。

三セク鉄道によくある風景ですが、内装が海をイメージしたもので凝った感じに…

13時38分、定刻に発車。

舞鶴線と離れて、いよいよ宮舞線へ。

日差しがややキツめですが、初めての路線に乗れるとなるとさほど気になりません。

四所を出て東雲に停車。

駅名板を見て既視感を感じた訳ですが、バス事業で有名なウィラーエクスプレスの鉄道部門で「ウィラートレイン」が経営する鉄道路線です。

ツアーバスに源流を持つ事業者で、赤字に悩む北近畿タンゴ鉄道の経営の引き継ぎに名乗り出て、色々な施策を打ち出して話題を提供してくれています。最近ではJR東海で引退が予定されている特急型気動車(キハ85)を譲り受けるなど、アグレッシブな運営をしております。

その東雲で西舞鶴行きと行き違い。対向の列車は青一色・・・こういった思い切ったカラーリングもウィラートレインの施策の一つなのでしょう。

丹後神崎を過ぎて、

由良川を渡りました。

この路線がまだ国鉄宮津線と呼ばれていたころから、この川を渡る鉄橋と列車が撮れるこのあたりは有名な「撮影ポイント」として夙に有名ですが、逆に車内から見てもなかなかの絶景です。

丹後由良〜栗田では宮津湾に沿って・・・私自身、観光列車に縁のない人間ですが、普段使いの普通列車からでもこういう風に観光気分が味わえるこの路線が気に入りました。

14時10分、宮津着。

宮福線に新車が入ってる事に驚いたのと同時に、ここから学生風の若者が大量乗車。

びっくりはしましたが、考えてみたら今は春休み。こういう大量乗車もあって当然と言えましょう。

そしてこの若者の集団は、次の天橋立でほとんどが下車。やはり行き先はここだったか…と思うと同時に、どちらかというと「渋め」の観光地である天橋立に、こうして若者が大挙してやってくる、というシチュエーションにうれしくもあり、一方では「近場にしか来れないくらい学生の懐具合が寂しいのかな」と、戸惑いも覚えます。

海から離れて、丹後地方特有の茫洋とした田園風景を眺めながら、

41分、終点の峰山着。

小さな鄙びた駅ですが、この時ばかりはどっと賑やかでした。

* * * *

最初、ウィラーエクスプレスが鉄道をやると聞いたときは、「ツアー上がりのバス屋が何を…」という色眼鏡がなかった訳ではありません。が、乗ってみて感じたのは意外というか当然というか、鉄道を「真面目に」やってるという印象でした。

「普段使い」の列車を観光列車化しているというところに「あざとさ」が見えなくもありませんが、実際「さあ観光しろ」といった感じの下卑たものは感じさせず、非日常の「ハレ」と「普段使い」を最大限すり合わせたものに仕上がっているあたりに、「真面目さ」を見たのかも知れません。

ウィラーになったからと言って、京都丹後鉄道の乗車率がV字回復したとは聞いていませんが、観光需要のみに頼ることなく「普段使い」の利用者にも分け隔てなく接している(ダイヤ・営業施策的)姿勢は、まっとうに評価すべきだと思います。

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