最初は乗るつもりはなく、城端線の某駅へ行くつもりだったのですが、この時の同じで当日駅の時刻表を見てて「あるやん」って感じで見つけて、みどりの窓口へ行くと「空いてます」って事で、気がついたら指定券を手にしてた次第でして・・・
【路線データ】
- 事業者:JR西日本
- 路線名:臨時快速ベル・モンターニュ・エ・メール51号
- 車両型:キハ40系2000番台
- 路線型:快速列車
- 乗車日:令和元年11月2日
- 乗車区間:高岡~城端
【乗車記】
城端行き「ベル・モンターニュ・エ・メール51号」は快速列車として設定されているので乗車券に指定券をプラスすれば乗れるという、敷居の低いクルーズ列車ってポジションにいるようです。
発車20分前にホームにいたのですが、すでに乗客と思しき人影が結構出ていて人気がある列車なんだなと再認識しました。一方僕は何の予備知識もなく指定券を入手したので正直どんな列車が来るのかわかってませんでした。
その「ベル・モンターニュ・エ・メール51号」・・・名前が長いんで「べるもんた」とします・・・が9時20分頃にJR線ホームに到着。北陸本線はあいの風とやま鉄道になってしまったので、島式ホームだけがJRの「領地」に・・・
ドアは開いたのですが乗り込もうとする客は少なめで、皆思い思いに列車をバックに記念撮影に勤しんでおられました。JR金沢支社の社員さんも「べるもんた」の看板を持って「こちらもどうぞ~」という感じで乗客へサービスしていました。
出発5分ほど前になって乗客が三々五々と車内へ。
外見からわかるように元々は通勤用のキハ40なので、写真左側のボックスシートにその名残が見て取れますが、反対側は「ホントに通勤列車だったの?」と疑いたくなるくらい原型が無くなっており、小机と椅子が窓に向かって並んでいました。
そしてクルーズ列車では見かけたことない「つり革」が車端に・・・もっともただのつり革ではなく木製というあたりが「普通じゃない」という雰囲気を醸し出していました。「べるもんた」自身、全車指定の列車なのでまさに「飾り」といったところでしょうか。飾りといえば
座席の壁にはこのような彫刻が・・・城端線からは少し離れた井波町(現・南砺市)で作られてる「井波彫刻」だそうで。彫刻のことはよく分かりませんが暖かみのある工芸品なのは判るような気がします。
乗り込んだ団体客の喧騒がまだ残る中、高岡を発車。
JRの社員さん総出でお見送り・・・クルーズ列車の「華やかさ」はありませんでしたが「手作り」の質素なものながらJR社員の心づくし、といった感じで好感が持てました。
5分ほど走って次の停車駅、新高岡に停車。新幹線から乗り継いできたであろう客が数人乗り込んできました。
「本日は私どもがガイドを務めさせていただきます・・・」
インカムで話しているのは観光ガイドの福光の「麻のれん」から派遣されてきたガイドさんで、「べるもんた」運転日に合わせて乗り込んでくるようです。沿線の案内を流ちょうに行っておられ、思わず聞き入ってしまいます。
時折車掌さんとアイコンタクトをしており、ガイドが中断すると車掌さんが
「二塚です。ここで行き違いのため~分停まります」
とアナウンス。そしてガイドさんに引き継がれガイド再開・・・なかなか絶妙な連携を取られていました。
二度目の運転停車をした戸出付近で、
「目の前に見えます工場はアステラス製薬で・・・」
と沿線の産業についてもガイドがありました。基本的に田園地帯ではありますが工業県富山らしく、ざっと見ただけでもクボタ、日本硝子工業といった中堅どころの工場が居並んでいます。
10時7分、福野着。
さきほど運転停車した砺波もそうでしたが、停車する駅でこのように沿線の有志の方がこういう感じで横断幕を出して乗客に手を振ってくれました。先ほどの高岡でのJR社員の見送りと同じように「べるもんた」の「おもてなし」は基本的に手作りで、というのがコンセプトのようです。
駅での出迎えだけでなく、沿線でもこういう感じで手を振ってくれていました。「麻のれん」のガイドさんも
「べるもんたの運行に合わせて手を振ってくださってますが、この方々のスケジュールによっては見れないこともあるので・・・」
沿線の方も身の丈にあった「おもてなし」をされているようです。
そういえば「べるもんた」の車内ではこういう感じで店を開いて、沿線の特産物も運行中ずっと販売していました。
さらに事前に申し込めば「富山鮨」が提供され、富山の地酒と合わせてじっくりと堪能できます。僕はまったく予備知識がなかったので乗り込んで初めて気づいたり・・・次機会があれば「富山鮨」を頂きたいものです。
「皆様ともまもなくお別れになります・・・」
ガイドさんの案内があったころ減速。
10時22分、終点の城端に到着。ここでも記念撮影の人だかりができていました。
クルーズ列車というと贅の限りを尽くしたもの、という先入観があったのですがこういう「手作り感」あふれるクルーズ列車というのもなかなか趣があってヤミツキになりそうです。