【路線データ】
- 事業者:宮崎交通
- 路線名:なんぷう号
- 車両型:三菱ふそうエアロバス
- 路線型:高速路線バス(都市間連絡型)
- 乗車日:平成22年10月20日
- 乗車区間:宮崎駅~熊本県庁前
【乗車記】
ホテルを出ると結構強い雨。傘を持ってきていないことに少し後悔しながら宮崎駅に着いて時間まで撮りバスを敢行。8時20分過ぎにやってきた「なんぷう号」は宮崎交通担当で午前発が地元会社、午後が共同運行先の担当というキレイなダイヤ。
車内は2-1シートと九州島内の標準的な昼行長距離スタイル。席番は1列側がAで2列側がBCとなっておりやや変則的。車両中央左側にはサービスコーナー付きトイレが設置されていますが、残念ながら去年4月にサービスコーナーは廃止。客の持ち込みが増えたのと、メンテナンスにかかる費用もこうも景気が悪くてはバカにならないのでしょう。
僕を含め2人を乗せて8時27分に発車。橘通りは通らず南宮崎駅前を過ぎて一旦宮交シティを過ぎて大きく路地を回ってから、改めて宮交シティに到着。
待合室には多くの客が待っていたが「なんぷう号」に乗り込んだのは1人だけ。
発車すると雨はさらにひどくなりまるでスコールの様相を呈しだしました。南国らしいはっきりした天気なのは判りましたが、こうもキツいと通行止めにならないか心配になってきます。
宮崎道に入り本格的に加速。高速に入る前に乗務員さんが設定したDVDが回りはじめました。映画の内容は「20世紀少年」・・・一時期よく立ち読みした漫画ですねぇ。
清武、田野東、高城と進むが乗降は無し。清武から熊本の御船まで乗降フリーなのでローカル的な利用も可能ですが、始発から3便目の時間帯とあってはお客の入りも悪そうです。
県南の最大都市・都城を控えた都城北で1人の乗車がありました。雨はいつしか小止みになっており、そこそこ走っていた車もほとんど見かけなくなりました。
高崎東付近で熊本からの「なんぷう号」産交担当の1便とスライド。「サンライズカラー」が曇り空によく映えます。小林インターで2人ほどが乗車。
どこまでも茫洋と続くえびの高原を突っ走り、えびのJCTで九州道へ。この後えびのインターに停車しましたが、待っていた客は後から来るバスの客だった模様。
学生時代に飯野からえびのまで区間利用した時は満席に近く、乗務員さんから「どこまで行くの?」って聞かれえびのまでと答えると「うーん、最前列の席は人吉からのお客さんがあるけど、隣までだったらそこに座って下さい」と調整に苦慮されていました。それから思えば今日の車内は本当にスカスカです。閑話休題
加久藤トンネルに入りトンネル中ほどで県境を越え熊本県へ。
人吉インター着。ここで1人が降り5~6人ほどが乗り込んできました。アタッシュケースを抱えたビジネスマンも乗ってきてようやく都市間高速バスっぽくなってきました。「なんぷう号」に乗らなかった客(多分鹿児島行きか福岡行きの客)が待合室から溢れているのを見ると、県南からの需要が旺盛なのに驚きます。
人吉発車後、改めて主要バス停の到着時刻や車内設備の案内が流れほどなく山江PAに滑り込むも乗降なし。「なんぷう号」は基本的に途中休憩はありませんが、ノンストップ便はどうなのでしょうか。
人吉~八代間は本当に山の中で、急峻な山岳地帯が続くかと思うとトンネルに突入し、抜けたら滔々と流れる球磨川を渡ったりと、景色に変化があって飽きが来ません。「なんぷう号」開設当初はこの球磨川沿いの国道を走っていたそうで、30分ほどで抜けるこの区間を昔は1時間20分をかけていたとか。高速は高速なりの景色のよさがありますが、個人的には下道時代の球磨川を眺めながらのルートの時に乗っておけばと、今更ながら残念に思います。
鮎帰、小鶴、坂本の高速道路上のバス停は乗降なく皆通過。坂本を除いて小さな集落にあるバス停なので利用者数は知れているのでしょうけど、肥薩線からも遠い場所とあっては高速バスも立派な「生活インフラ」として活用されているようです。
八代インターで降り、そのまま料金所外のバス停へ・・・と思いきや国道3号に合流しすぐに右折。穂のついた田んぼの中を進み、ひときわ目立つ鉄道構造物―新八代駅に到着。「なんぷう号」各停便のうち、4往復がこの駅を経由するようになった事をすっかり忘れていました。九州新幹線とは直接恩恵が無い人吉や宮崎地区の利用者に「フィーダーバス」的な意味合いで「なんぷう号」を使ってもらおうという事なのだろうけど、この便では乗降ともにありませんでした。
高速に戻って宮原SAを過ぎたあたりで、福岡行き「フェニックス」速達便に追い越され・・・同じ宮崎交通のバスですが向こうは日野セレガRのSHD車。あっちも面白そうですねぇ。松橋インターと御船インターでぽつぽつと降車が・・・
益城熊本空港インターで高速を出て、空港道路を西へ進むとクルマが途端に増えだしてそれまでゆっくり流れていた時間が急にせわしく流れだしたように感じました。
途中、東町中央とか自衛隊前のバス停が続きましたが、すべてスルーで降車予定の熊本県庁前で下車。熊本交通センターまで乗りとおしたかったのですが、この後の福岡行きへの接続を考えると途中停留所の方が時間が読みやすかったのでここで下車することにしました。
(令和元年5月16日記事構成変更)