今度はこの列車で高知を目指します。
この列車も今朝乗った「宇和海」と同じ、国鉄急行「あしずり」をルーツに持つ名門列車で、JRになってからは高知県内の運行に留まるものの「特急」に出世しました。
若井から土讃線くろしお鉄道の普通列車で南下して中村へ。
もう列車は横付けされていました。2000系気動車の2両編成...短く感じますが、山陰特急で見慣れた目には普通に感じました(笑)
中村止まりの「あしずり」を待って、定刻に中村発車。ここから窪川までは厳密には土佐くろしお鉄道の特急列車として運転されます。
第三セクターだからといってトロく走る、という訳ではなく、JR線同様にガンガン攻めながら走っています。
最初の停車駅、土佐入野。
片面ホームだけの簡素な駅ですが、言い換えればどんな駅でも特急停車駅になり得る、ということを証明しているのかも知れません。
有井川からは海が車窓のお供。土佐くろしお鉄道、というくらい海とは縁の深い鉄道で、高知より向こうのごめん・なはり線もまさに太平洋を背負う形で線路が延びています。
土佐佐賀は乗降なし。
荷稲付近。
海とはお別れし、高南台地へゆっくりと登っていきます。
川奥信号場で予土線と合流し、
14時、窪川着。ここで土佐くろしお鉄道からJR四国の乗務員さんに交代。
窪川を出ると再び容赦ない加速で進み、影野からは久礼坂を速度を殺しつつ、やはり軽やかにトンネル群を通過。
その途中で、土佐佐賀以来の太平洋をチラ見し土佐久礼着。ちょっと雨が窓を伝い始めました。
安和~土佐新荘間では海の上に張り出す格好で飛び出し、なかなかのスリル感。
須崎では「あしずり5号」とスライド。ここから運転関係部門の社員さんが数人乗ってこられ、運転席はちょっとしたラッシュ状態...
吾桑から山越えをし、
石灰石積込のヤード跡が僅かに残る斗賀野を通過。こないだ石灰貨物が無くなったと思ったら、もう半世紀近く前の話なんですねぇ...
40分、佐川着。数人が乗車。あまり降車はない列車のようです。
岡花付近は田んぼへの水張りも終わったようで、後は稲を植えるのを待つばかり...
「仁淀ブルー」で一躍有名になった仁淀川を渡り、最後の停車駅・伊野着。
「...朝倉、旭には停まりません。ご注意下さい...」
急行列車時代は停まっていた朝倉を通過するタイプの列車のようで、慣れた人ほど陥りやすい「トラップ」的な列車と言えます。
その朝倉を過ぎ、
鏡川を渡ると高知の市街地で、土讃線は微妙に中心地から外れたところを走ってますがそれでも宅地化は進んでおり、すっかり街の雰囲気です。
15時5分、終点の高知に到着。
ほとんど降車の動きがなかったので、ホームは一気にごった返して終着駅らしい雰囲気に...
「南風」のような四国連絡特急という華やかさは無いものの、県内の「都市間連絡列車」として手堅く需要を拾い上げている、といった感じのする列車です。