JR東日本 はやて15号

【路線データ】

  • 事業者:JR東日本
  • 路線名:はやて15号
  • 車両型:E2系
  • 路線型:新幹線
  • 乗車日:平成24年1月2日
  • 乗車区間:東京~新青森

【乗車記】

「フライングスニーカー号」を降りた後は、何となく八重洲の地下街を彷徨い歩いたり、八重洲口のJRバス乗り場で撮りバスをしたりして時間を潰しました。

そして、7時過ぎに改札を通って新幹線ホームへ。手元に用意した都区内発中小国行きの「周遊きっぷ(ゆき)」を改札に通し、左上に小さな穴が開いたのを確認して
「もう引き返すことはできんぞ」と妙な決心をしてみたり(笑

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丁度「なすの」で到着したばかりのE2系が目の前に停まっていましたが、これがどうやら7時32分発の「はやて15号」新青森行きになる様子。掃除の係員が吸い込まれるように車内に入り・・・その手際の良さに月並みな言葉だけど「職人芸」を見たような気がしました。開始から15分もかからずに「点検終了」の合図があって「お待たせしました」と案内されました。少しでも無駄な動きがあればこんなに短時間では終わらないでしょうね・・・

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アサインされた席に座り、足元を見るとコンセントがあったので早速ケータイやらデジカメのバッテリーを充電開始。以前函館に行った時もこのコンセントには随分お世話になったのでかなり印象が強いです。
(なぜか帰りは以前も今回もE2系ながらコンセントは無く大いに困るハメに)
定刻発車。まさに「音も無く」滑るように東京駅のホームを離れました。

すぐさま地下へ潜り上野着。また地上に出て今度は高々架とでもいうのだろうか、高い位置まで駆け上がって東京北部を睥睨するような感じでゆっくりと流していました。

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埼京線が結構近くを走っていたがあまり気にならずに大宮着。ここからは仙台までノンストップで北上します。

ケータイのGPSを使った速度計アプリを動かしてみると「230km/H」・・・う~む、まだまだ「出そう」ですね。事実、小山付近まで来ると一気に250まで上昇し宇都宮を過ぎる頃には270の大台に達していました。GPSの誤差を見込んだとしてもなかなかの「俊足」です。

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いつの間にか新白河を通過し「東北入り」を果たしました。
遠くの山々に雪は残っていますが、目の前の平野は茶色く雪とは縁のなさそうな感じです。出発前にケータイで天気予報をチェックしたら青森あたりは大雪になるとか言ってたものの、一向にそんな気配は感じません。

福島、白石蔵王・・・と確実に北上しているものの、やっぱり雪景色というものには・・・厳密には奥の方に見える奥羽山脈はすっかりと綿帽子をかぶってたりと「雪山」の様相でしたが、新幹線の走っている平野部は茶色い田園地帯ばかりが広がって少々肩すかしを食らった気分です。

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不意に住宅地に入り、広瀬川を渡って仙台着。
ホームを挟んで向かいには2階建てのE1系が「回送」幕を出してこちらの到着を待っていました。知らない間に随分北上してますね・・・というのが正直な感想です。
「通勤新幹線」のイメージが強いE1系は、北はせいぜい那須塩原くらいだったはず・・・と思っていただけに意外な風景でした。
若干の乗降があったものの、席の埋まり具合は大宮発車直後と大して変化はなく仙台発車。

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眼下の在来線車両基地(仙台車両センター)に続いて、わんさと停まっている「金太郎」ことEH500に大いに心をときめかしました。何歳になっても機関車がこれだけ群れているシチュエーションは心躍るものですね。
古川を過ぎたあたりで俄かに車窓が白くなり、すわ雪の中に突入か?と思ったのですがよく見ると濃い霧でした。しかしそれはそれでなかなか幻想的で、車を自分で運転してて、こういうところに突っ込むと不安を掻き立てるものでしかありませんが、250キロオーバーの新幹線から見る段には夢見心地というか、不思議な気持ちです。

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その霧を抜けたあたりで地面に白いものが目立ち始め、一ノ関を過ぎる頃にはすっかり雪化粧に。思えばあの霧が「雪国」への「合図」だったのかもしれないなと、ちょっと突拍子な事を思ってみたり。

盛岡貨物駅が見え始め、街の中へ入りこみ盛岡着。ここまで併結されて走ってきた「こまち号」を切り離すので、その風景を見るべくホームへ出てみました。一足先に陣取っていた地元と思しき子供たちは、切り離しが今か今かと待ちきれない様子なのが印象的でした。
「秋田行き発車しまーす」
このアナウンスと同時に「こまち」編成の電車のドアが閉まり、軽く電笛を鳴らしてガクンと揺れて発車。

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同時に連結器が外れ、流麗な流線型の先頭部とはおよそ似ても似つかぬグロテクスな「御面相」でゆっくりホームを離れて行きました。連結器はむき出しか?と思ったらゆっくりとカバーが動き連結器を覆って何事もなかったような顔に・・・開放からカバー取り付けまでがすべて「全自動」な訳で、考えてみれば電車同士の解結なのだからオートメーション化されてても不思議ではないのですが、趣味人としては操車係がジャンパ線をつなげたりきったりして連結作業に勤しむ・・・そんな姿をわずかに期待していただけのだが、わかっていたとはいえやっぱりちょっと一抹の寂しさを感じます。
「こまち」が出て1分後、こちらも発車。ここからは終点までは「各駅停車」・・・そういえば東北新幹線には東海道・山陽新幹線のように各駅停車タイプの列車愛称が1つしかなく(東京~那須塩原間の「なすの」)こうした盛岡以北に対応した列車となると速達便がそのまま各駅に停まっていきます。

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いわて沼宮内、二戸、八戸・・・と進むにつれ車内も空いてきました。子供連れ、帰省・・・それを迎えに来た老夫婦・・・かつては東北本線の各駅で見られた風景だったのでしょう。時が流れて新幹線になっても、そのあたりの情景は変わっていないのを見て、ドライな新幹線の風景に「潤い」を感じました。

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八戸付近は一転、雪景色ではなく乾いた大地といった感じでこれまた意外でした。しかし大小のトンネルをくぐり、七戸十和田を発車してトンネルの合間にチラチラと見える風景は真っ白・・・

新青森には11時9分の定刻に到着。改めて思うに4時間かかってないのですよね・・・距離的には東海道・山陽新幹線だと東京から岡山くらいなのですが、感覚的にはもっと遠くまで来たような気がします。

(令和元年5月23日記事構成変更)

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