【プロローグ】
他所のところの乗車レポばかりを上げてる炭屋。そういえば炭屋の地元にバスはないのか?という声が聞こえなくもないような気がするので・・・炭屋の地元は基本的に「住宅地~駅」という流れなのでこの2点間を最短で結ぶルートが「本流」となる。が、これから紹介するレポは決してこういった「本流」にはなれない路線である。
【清和台営業所~平野】
その路線の系統名は101系統。乗車地は清和台営業所で終点は能勢電鉄の平野駅に隣接するターミナルである。駅と接続するのなら乗車率はよいのではないか・・・という声が聞こえそうだが、清和台からの客の流れは基本的に阪急電鉄宝塚線の川西能勢口駅へ向かう。大阪へ向かおうとする客が平野を経由すると、川西能勢口での乗り換えが必須であることと、能勢電鉄の運賃がかかる。そして何よりも運行本数の差で川西能勢口へ向かう1系統グループはほぼ6本/時。対して平野へ向かう101系統は平均して毎時1本。便がない時間帯もある。どちらがフトコロに優しく便利かは言わずもがなである・・・
10時53分、入線。この便は日野ブルーリボンだった。基本大型車で入る系統である。55分に発車。僕とあと1人が乗り込んだ。
清和台中央を過ぎて、清和台南発車時点で5人・・・この時点で清和台の住民が平野へ向かう日中の流れは(先述したように)限定的なものであると言える。
けやき坂口を過ぎて右折。このままけやき坂の住宅地へ突っ込むのか・・・と思ったら転回場へ。
ここでぐるりと一周しけやき坂1丁目。この住宅地の入口での利便性に供している訳だがこの日は乗降はなし・・・
県道(川西猪名川線)には戻らず、脇道へ入り猪名川沿いの旧道へ。現行の県道が未開通時代の1系統はこのまま猪名川沿いを進み能勢電と交差し滝山、火打を通って川西能勢口へ向かっておりそれなりに賑わっていたが・・・
多田大橋を過ぎ猪名川を渡り、緑台へのアプローチとなる急勾配をジリジリと登っていく。このあたりからぽつぽつと乗車があり、緑台1丁目では清和台からの客が2人下車。
このようにまったく需要が無い訳ではないし、この便がなければこの地域の移動は不自由であることも確かなので毎時1本とは言え残っているのかもしれない。
緑台の商店街を過ぎ、ゆるゆると坂を下りもうすぐ国道173号と合流・・・といったところで右折し小さなターミナルに停車。11時13分、終点の平野に着いた。
【エピローグ】
県道川西猪名川線が旧道時代の狭隘な時は、1系統も定時性に不安があり確実性を求める客はこの101系統に乗り平野に出て、たとえ能勢電の運賃がかかっても大阪へ出るという時間を「読める」ルートを取るので清和台界隈でもそれなりに利用はあったが、現在ではレポしたように多田大橋あたりから東側(緑台地区)で能勢電へ乗り継いでいく客が取り込めればいい・・・という状況になっている。
今のままではいつ系統分断(平野~緑台)になってもおかしくない状態だと思われるが、何年ものダイヤ改正を乗り切って毎時1本になってもおそらく運行開始当初からの運行形態を維持しているのだろう。その理由を趣味者が1回乗っただけで理解するのは困難であるが全区間で利用がひとケタであっても、トータルで見れば公共交通として維持する必要性がある、という事なのかもしれない。それほどに公共交通というものが奥の深い「リアリスト」な存在なのかもしれない。
(平成29年12月15日乗車)