JR西日本 はくたか569号

【路線データ】

  • 事業者:JR西日本
  • 路線名:はくたか569号
  • 車両型:E7系
  • 路線型:北陸新幹線
  • 乗車日:平成29年8月4日
  • 乗車区間:上越妙高~金沢

【乗車記】

直江津からえちごトキめき鉄道の妙高はねうまラインで上越妙高へ。ここは信越本線時代には「脇野田」を名乗ってたのですが、新幹線開業にあわせ駅の位置を変え名前も変えたようです。新幹線駅が「脇野田」だと東京の人には「何処?」と突っ込まれるのは目に見えているので、駅名の変更は妥当な判断なのは判るのですが「新山口(旧小郡)」同様に由緒ある駅名が時代と共に消えていくのは少し寂しいものがあります。

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無機質な壁や天井に囲まれた都会の駅・・・と思いきや、材木の質感を出した天井の構造材や灰色でも少し温かみのある壁で構成された駅舎内の風景に思わず唸ってしまいました。自動改札を抜けホームへ出るとこちらは装飾の少ない、屋根の梁が視界の中で主張する質実剛健とした雰囲気に包まれていました。

列車を待つ間、上り長野方面行きホームに東京行きが滑り込んできました。足早に乗り込む乗客の近くで、家族の見送りらしき一団が列車に向かって手を一生懸命に振っている・・・こういう光景は在来線ではよく見られたものですが、新幹線であってもなんとなく和む風景です。

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ややあって長野方が列車が滑り込んできました。はくたか569号の金沢行きです。手元の携帯に示された号車は5号車、編成のほぼ真ん中あたりでした。車内に乗り込みアサインされた席へ行くと3人掛けシートで、そこには妙齢の女性2人連れがB・C席を占拠中・・・僕は窓側のA席なので何となく気まずい雰囲気に。「チョットスミマセン・・・」小声でささやきつつ前を通りなんとか着席。

ほどなく発車し静かに、かつグイグイ引っ張られるような感覚を覚えました。東海道でも山陽でも感じない感覚に感動していると車掌さんが改札にやってきました。が、新たに乗ってきた僕に誰何することなく手元のタブレット端末を見ながら巡回するだけ・・・たぶんあの画面に指定券の発売状況が出ていて、車掌さんはその確認だけなのでしょう。今回はチケットレスの「モバイルSuica特急券」での乗車で「時代だなぁ」と技術の進歩に感動していたのですが、改札もまた同様に技術の進歩が凄まじい速さで進んでおり、ただただ脱帽するしかありません。

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車内は8割ほどの入りでなかなかの盛況。夏休み期間ということもあってか、所々で大きなスーツケースが座席の間で顔を覗かせていました。基本的に暖色系の色調でまとまられており、シートはJR九州の車両か?と思うくらい真っ赤なモケットが並んでいました。普通車ながらヘッドレストは少し動き、自分の都合の良い場所に頭を持っていけるというのがなかなか良かったです。足元にコンセントがあるというのもうれしいもので、携帯を手ばせない現代人には普通車と言えどもはや必要不可欠なアイテムなのでしょう。

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ところで僕が今乗っているはくたか号はJR東日本の所有編成で運行されていますが、座席前の網ポケットを見るとJR東日本の車内誌「トランヴェール」とJR西日本の「西Navi」が仲良く「同居」していました。JR東日本の電車であれば「トランヴェール」だけで統一していても何ら不思議ではないのですが、乗り入れ先のJR西日本の雑誌も置くというあたりに2社で北陸新幹線をじっくり育てていこう、という姿勢を垣間見たような気がします。

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 トンネル群を抜け日本海が見えたかと思ったら、出発して30分かからないうちにもう富山県に入っていました。そして黒部宇奈月温泉に到着・・・山陽新幹線でお馴染みのJR西日本の横長駅名板ですが、山陽新幹線以外で見れたことにちょっと感動しました。

富山で隣の女性2人組が降りてようやくリラックスできました。そういえば上越妙高からこのかた、駅に着くたびに降車はチラホラあったものの、乗車はほとんどありませんでした。山陽新幹線の広島以西も似たようなものですが、北陸は山陽よりも東京指向が強そうな気がします。

海が消えると一面の田園地帯が広がり、時間はもうすぐ18時・・・青い空に少し茜色が差し込み始め良い暮色が車窓に広がります。

石川県に入りトンネルを数本やりすごし、一気に街の中へ突入していきます。減速はしているのですが、建物が線路に近いため車窓は慌ただしく流れていきます。

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終点の金沢には定刻に到着。どっと吐き出された人波は数か所にしかない階段へ吸い込まれていきました。

(令和元年5月16日記事構成変更)

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