旅する炭屋~炭屋さんだって旅したい~

炭屋です。ヲタです。人畜無害です。何処かへ行ったり過去に前に挙げた内容を再掲したりしてます。

はじめてお越しになられた方は、ここを御一読いただければ幸いです..._〆( ´・ω・‘)

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フェリーあけぼの 鹿児島新港~那覇港 マルエーフェリー

市バスを降りて、近所のスーパーで色々買いこんでフラフラと歩いて

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16時半頃に新港到着。窓口に行ってサクッとチケット購入して、

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ちょっと沖縄行ってきます・・・(・ω・)
実際は1ヶ月前に電話して予約していたが、本当のところしっかり予約が取れているかが不安だった。いや、言いかえればそれだけネット予約に慣らされてしまって、久しぶりの電話予約に「どうやるんだっけ」って感じで戸惑っていたというのが正解か。
便利になるのはいいけど、時折こうして原点に返るというのも必要なのかもしれないなとチケットを見ながら反省しきり。


広い待合室だけど、すでにベンチは一杯。ざっと50人はいるだろうか。
運よく空きがあったので荷物の整理を兼ねて座りこむことに成功。
なによりも暖かいのがありがたい・・・つか暑い。沖縄航路の待合室から「沖縄」が始まってるかのようだ。

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なるほど、今日出航する便の船名にライトが点いて知らせるってのは親切だな。
しかし沖縄行きにこれだけの船が就航していたのかと今更ながら驚く。

小荷物引き受け所というのが珍しければ、その近くにポーターさんが居る風景というのも珍しい。JRでもかつては大きな駅に行くと、赤帽さんがウロウロしてたんだけどなぁ・・・


案内開始の時間が近づき何となく人の動きが目立つので、さっさと改札口付近に陣取る。一応席の指定は受けてるけど、自由席感覚になってるせいかこういう動きには敏感になってる。
先導の係員に連れられて、

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今夜の宿となる「フェリーあけぼの」とご対面。
沖縄行きも初めてならば、マルエーフェリーに乗るのも初めてである。大阪~九州航路で「都市間フェリー」というものには慣れてるけど、25時間も船に揺られるのは初めて。慣れた風に振る舞っていても内心はドキドキものだった。


タラップを上がって指定された席・・・「2等」へ。

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いわゆる「桟敷席」です。
個室は割高以外の何者でもなかったし、経費圧縮の観点からこの等級しか選ぶことができなかった「消極的選択」。乗船してものの数分で僕の周りの席はすぐ埋まった。
左隣は夫婦連れ、右隣は2人の子連れの家族。幸いだったのは子供たちが大人しかった事。もっとも出航1時間ほどでロビーは「運動会」状態になったが、少なくともアサインされた区画は静かなのがありがたかった。
この状態では買い込んだ夕食も食べれそうにないと判断したので、金目の物は持ってガス欠状態の携帯電話もSIMを抜いて充電器に挿して部屋を出た。


風呂を済ませ、着替えをカバンに詰めなおしていたら
「まもなく出航いたします。お見送りの方がいっらしゃいましたら御退船を・・・」
というアナウンスが流れた。大阪~九州間のフェリーあたりではまず聞かない、離島航路っぽい風情のあるアナウンスだ。

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ほどなく出航。18時を若干過ぎたくらいか。
1月の18時はとっぷり暗いはずだが、天気がよかったせいかまだぼんやりと明るい。それがまた旅情を誘う。これから街らしい街が見れるのは奄美大島の名瀬と終点の沖縄・那覇くらいだろう。そう思うと一抹の寂しさが漂う。


レストランが開き、売店も営業しているというアナウンスが流れる。
僕はバスを降りて立ち寄ったスーパーで買い込んだ惣菜で夕食とするため現時点で売店に用事はないが、明日朝からはお世話になる場所だ。あとで見に行こう。


売店横にはこんな案内が。

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なるほど航海中ずっと開いている訳ではなく、寄港・出航の前後に店を開けていてある程度進んだら閉店・・・というのを繰り返すようだ。
こういう変則的な営業時間はコンビニに慣れた身にはちょっと物足りなさを感じるが、「こんなものだ」と割り切れば不自由さを感じないものだから人間って不思議だなぁ・・・


ロビーに腰掛け、鹿児島の焼酎を片手に惣菜をつまみに夕食開始。
周りを見ると缶ビールをこれでもかと並べて、弁当をつまみにちょっとした「宴会」状態なグループもあった。
それでもバカ騒ぎは起こらず「楽しそうな宴会」レベルなのに感心した。
酒が入れば「バカ騒ぎ」が起きるのが当たり前、というのを見てきただけに却ってこういう状態は珍しくすら感じた。
自分も酒は嗜む。けど、矜持としてこの沖縄航路でのこのグループのようにありたい、と改めて思った。


本も読みながらの夕食だったので、2時間近くでようやく夕食は終了。携帯電話のナビを見ると屋久島の沖あたり・・・まだまだだなぁ。
ラウンジのテレビで普通にBSが映るというのもなんとなく驚き。
22時くらいに自室に戻ると・・・見事に隣の子連れ家族に僕の席が占領されていた(´・ω・`)
こうなることは予想してたし、おまけに僕の席で寝てるのは子供の方・・・起こすのも忍びないのでとりあえずさっき居たロビーの長ソファーで横になる。まっすぐの方が体にラクなのは判っているけど、ソファーで横になるというのもなかなかオツなもの。


そろそろ諏訪ノ瀬島の沖かな、って辺りで寝込んだ様子(twitterのログから推測


* * * *


廊下をバタバタ走る音で目が覚めて、気が付いたら4時過ぎ・・・
5時間ほどは熟睡した模様。ソファーでもそこそこ寝れるものだと再認識。
「皆さまおはようございます。まもなく奄美大島、名瀬に入港します・・・」
夜行列車で言うところの「おはよう放送」があって、

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まだ真っ暗な名瀬新港に到着。4時半前だけど船に乗ってた半分くらいの客が降りていった感じだ。
客の動きを目で追っていくその先では、フォークリフトがコマネズミのようにコンテナを船から引っ張り出したり、目的をもった感じで積み上げたりと大忙しな感じに見入ってしまった。何せ寄港時間は50分ほどで、限られた時間に名瀬で降ろす荷物を捌かなければならないのだから必死なのだろう。
降ろすだけじゃない、積み込みもあるからなおさらだ。


大量下船の人波が落ち着くと、今度は乗船の列が船にやってくる。といっても下船の数からすれば半分以下ほどの規模だ。乗ってくる客を係員が「何処まで?」と訊き港名が判ると「はい、那覇は奥の部屋ね」とか「和泊はその手前の部屋」とか振り分けていた。名瀬で降りた客が居た部屋を、今度は区間利用の客に割り振るこのシステム、なかなかよく出来ている。どこの部屋にどこまで乗る客がいるというのを把握していなければ出来ない芸当で、さながら「人間マルス(指定券発行端末)」状態である。
5時40分頃に名瀬新港を出航。少し遅れ気味で出たようだ。


再びソファーで居眠りをし、
「おはようございます。ただいまから食堂を開けますので皆さまのお越しを・・・」
の案内で目が覚める。
おかず2品と御飯、味噌汁で600円くらいだったか。価格的に中庸だし味も可も無く不可も無くといったところか。
メニューが少ないのが気になったが、クルーズ船じゃあるまいしどちらかと言えば鹿児島や奄美、そして沖縄間の相互区間の連絡輸送が本来の目的である航路なので「食事は下船してからガッツリ食べて」って事なのだろう。
あくまで最低限の水準を満たしておいて「食べられるんでしたらどうぞ」的な雰囲気がある。これも割りきれば良いだけの話なのだろう。レストランと思わずに「大衆食堂」と思えば良い。だからという訳でもないかもしれないが、酒類の持ち込みも見た限りでは黙認状態である。


朝食も済ませようやく外が明るくなってきたので出て見ると、

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曇り空に黒々と奄美大島がくっきりと見えた。風は少し冷たいかな、と感じる程度。早朝の名瀬は雨だったが暖かかった。


9時半前に徳之島の亀徳港に入港。

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名瀬ほどにはないにせよ、多くの客が降りて行った。
対して乗ってくる客は概してその半分程度・・・多分沖縄方面行きより鹿児島行きの方が客は多いのだろう。
ここでも地元の通運業者の「フォークリフト芸」が展開中・・・さらに小さいフォークリフトかと思ったら長めのコンテナも持ち上げられる大型タイプ。よくまああれだけ振りまわせるものだと感心。動画を撮っておけばよかったかな・・・
このフォークリフト芸を見に沖縄航路(途中寄港便)に乗るというのも一興かも知れない。


徳之島を離れ、しばし島影とはお別れ。
いつも乗っているフェリーは夜行だけど何かしら島影は見えていたものだが、沖縄航路で島影が見えないとなると本当にトコトンまで見えない。さすがに心細くなる。
しかし携帯電話(au)は島影が見えなくなってきたというのにまだアンテナが立つ。どんだけ強力なんだ・・・


徳之島を離れて1時間ほどで沖永良島をようやく発見。島を見つけたときの感激はなんとなく大航海時代に、新たな島を見つけた時に感じるであろう驚きや嬉しさに匹敵する(と思う)
亀徳から1時間半くらい経った11時半前に和泊港に入港。15度・・・昨日の昼間の鹿児島より暖かい。


和泊を出たあたりで昼飯。

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「大衆食堂」と割り切れば凝った料理が無い分、こうしたカレーあたりが無難なチョイス。そして付け合わせのサラダ。ちょっとついているだけで何か豪華なように感じる。
食後のデザートは売店で買ったこれ。

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「さたまめ」という奄美・与論あたりの地元菓子。ピーナッツに黒糖が絡んでいて何とはなしに旨い。何かホッとする味だ。暖かい風の吹く上甲板に出て、遠ざかる島影を見ながらパリポリ・・・時間の流れを忘れるひと時。


鹿児島県最後の島・与論島の与論港に着いたのは13時40分過ぎ。

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うーむ、港なのは間違いない。が、どこまでもオープンな雰囲気に度肝を抜かれる。
事務所はプレハブが2つ3つほどあるだけで、あとは出迎えのクルマだったりコンテナが無造作に放り出されている。
これまで立ち寄ってきた鹿児島のどの島の港もそれなりに整然としていたが、ここはどこまでもフリーダムな雰囲気である。沖縄行きをやめてここで降りたいくらいの衝動に駆られた。鹿児島県でありながら、そこに住む人の気質はもう沖縄に限りなく近いのだろう。


客の乗降、荷役含めて30分とかからずに出航。岸壁ではギターを鳴らしている人が。友人を見送っているのだろう・・・そんな風景もこの南の島には似つかわしい。


あっという間に与論島が小さくなり、薩琉海峡を縦断する。与論まで20時間かかった計算になるが、それだけ鹿児島県がタテに長い県だということを痛感する。


* * * *


どこからともなく三線の音色が聞こえたので行ってみると、

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即興のコンサートが開かれていた。
これから沖縄入りするにあたってますます雰囲気が盛り上がる。船会社の「仕込み」ではなく乗客の一人が偶然三線を持ってた、という感じだ。曲名は判らなかったが、明るさの中にどこか哀調を帯びた風な感じにシンミリ。


15時半頃、携帯の位置通報アプリが鹿児島県から沖縄県に入ったことを知らせた。

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それとほぼ同じくして沖縄本島の島影がうっすらと見えた。見た目は奄美大島とか徳之島あたりと大して変わらない風に見えたが、まぎれもなく「琉球・沖縄」である。

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沖縄に入って最初の寄港地にしてこの航路の最後の寄港地となる本部(もとぶ)まであと少し・・・

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本部港には16時40分、ほぼ定刻だった。
与論のフリーダムな雰囲気から一変して整然とした港だったが、平面的な施設類の配置にやはり本土や鹿児島とは違う雰囲気が漂っていた。入港直前に湾沿いに走るカラフルなバスを発見・・・那覇バスだった。


久しぶりに自室に戻ってみると僕がいた区画はみごとに空いており、さっきの本部港で降りた様子。終点まで2時間ほどあるので、本来の使い方・・・腰を伸ばして昼寝をしてみる。
受付にあった沖縄ガイドのチラシを読んでいたがいつしかウトウト・・・
「長らくのご乗船、ありがとうございました。まもなく那覇港に入港します・・・」
そのアナウンスで目が覚め、慌てて支度してロビーで待機。「涙そうそう」が流れる船内でぼんやりしてたら、

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司厨長さんがドアを開けた。その向こうではネオンがまたたく。久々の「街」だ。
ロビーには30人ほど並んでいたが、この中で僕のように鹿児島から乗りとおした客は何人いるのだろうか・・・

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19時を若干過ぎたあたりで那覇港に到着。
雨が容赦なくカラダに叩きつける様は「沖縄流」の歓迎を降りた客に浴びせているかのようだったが、その雨はなんとなく暖かだったのは気のせいか。


* * * *


25時間。
あっという間という風に書こうかと思ったけど、やっぱり「長かった」というのが正直なトコロか。直行便ならまさに「あっという間」という表現でいいのかもしれないが、こうして鹿児島の離島に丹念に寄港する姿は「海の各駅停車」といったところか。
無聊を慰める方法として客の入れ替わり、気温の変化、海の色等が南下するにつれ変化していくのを見届けてみるのが一般的な楽しみ方かもしれないが、個人的には風の「ニオイ」の変化を感じてほしいところである。
鹿児島と沖縄では・・・言葉では言い表しにくいが・・・とがった空気がマイルドになったような気がする。気温によるものかもしれないが、これが「風土」というヤツの違いなのかも知れないのである。


ぜひ一度は乗ってみてほしい、オススメの航路である。
(2013年1月4日乗船)

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