JR北海道 臨時特急ニセコスキーエクスプレス1号

【路線データ】

  • 事業者:JR北海道
  • 路線名:臨時特急ニセコスキーエクスプレス1号
  • 車両型:キハ183-5000
  • 路線型:特急列車(臨時便)
  • 乗車日:平成24年1月5日
  • 乗車区間:ニセコ~小樽

【乗車記】

ニセコ駅滞在20分で、今度は9013Dの特急「ニセコスキ―エクスプレス1号」小樽行ききに乗ります。札幌まで行かず小樽止まりというのが微妙ですが、この後小樽発の「4号」になってニセコへ行き、そして「3号」で札幌へ戻るという運用になっているので巧く考えられたダイヤになってます。

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10時という時間帯がちょっと中途半端だったのか、この列車への乗車はまばらでした。それでも同じ車両にスキー帰りと思しき青い目の外国人女性が2人ほど乗ってきて、その区画だけは華やいでいました。
行き同様、3号車に居座っていると発車。先頭展望だった3号車が、今度は最後尾になり「特等席」からの景色がどんどん後方へ流れていき「展望車的な」面白さがあります。もっとも風景を凝視してしまうと車掌と目がしょっちゅう合うことから、気まずさからそう長くは居れないのがネックではありますが・・・

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倶知安着。ここでどかっとスキー客が乗り込んできて窓際はほぼ埋まった格好に。やはり「スキー」の列車愛称があるのだからスキー客が居ないとサマになりませんね。
「次は終点、小樽です。この先、何ヶ所かの駅で列車行き違いのため停車しますが、お客様の乗降はできません・・・」
単線らしい案内に思わず心躍る。さっそく隣の小沢で数分停車。

倶知安方面のレールはもはや見えない。こんな感じで列車は来るの?とちょっと心配になりましたが、しっかりと長万部方面行きの普通列車がやってきて行き違いは終了。こんな豪雪であっても列車は定刻に動く・・・当たり前の事ながらやっぱり凄いと思います。

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ひたすら白い世界、時折樹木や笹などを見ながら「ニセコスキーエクスプレス」を振り返ってみました。


-JTを使うことで「非日常」の旅の演出としては申し分ない
-小樽止めにしているあたり、需要に対し柔軟に対応している
-乗務員の接客も押しつけがましくなく、リゾート列車らしくさわやかなのも好印象


総じてJR北海道の戦略に則った列車であることは充分理解できました。
が、あえて残念な点も書いておきます。


-音楽サービスが電源が入っていたが、放送等はまったくなされてなかった
-JTの車齢による経年劣化が目立つ
-PR不足なのでは?


一番上は他の車両に行ってないので断定するのは危険ですが、音楽プレーヤー全盛のこの時代に無理してまで生かす事はしなくてもいいのでは、と思いました。
やるなら北海道にちなんだアーティストの曲を流すとか、あえてクリプトン御膝元であることを活かし、ボーカロイドの市販されている曲を流すなどの「意外性」を盛り込めば、リゾート列車という「非日常性」にあいまって話題になると思われます。
車両の劣化は致しかたない部分があるかもしれませんが、この列車を育てる意思を持っているとするなら、いずれは大掛かりな補修か或いは新たな種車を改造する事が必要になってくると思います。

最後の事については、旅行会社であるとかwebあたりでは徹底的になされているようではありますが、鉄道系のPRの場で基本的なトコロである「駅」でのPRがイマイチ少ないように感じました。情報過多のこの時代にあっては、未だ口コミの威力も侮れず、駅でのPR強化は決して無駄ではないと思われます。

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うつらうつらしていると、停車した感じがあって目を覚ますと塩谷で長万部行きと行き違いの真っ最中でした。こういう悪天候の中だと、無骨ながらガッシリとした「国鉄型」は頼もしく見えます。
「長らくのご乗車お疲れさまでした。まもなく小樽に到着致します・・・」
そして「2号」でも聞いたお決まりの観光案内が流れ・・・お決まりといいつつも、やっぱり旅をしている気分が高まる「味付け」として欠かせない存在でしょう。

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11時45分、小樽に到着。すぐに札幌方面へ乗り継げる案内はありましたが、少しは雪の小樽の雰囲気を感じたいと思い改札へ向かいました。

 (令和元年5月22日記事構成変更)

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