ギリギリまで撮りバスをしていたせいで、着替える間も無く荷物をピックアップして乗り場へ。
やってきたバスはJR九州バスの日産ディーゼル+西工C-1のSHD車。「フェニックス号」で乗ったことがあるんじゃないかな、この車・・・
冷房は効いているけどちょっと湿気っぽかったかなぁ。ここからの乗車は僕1人だけだった。アサインされた席は1A。
16時40分定刻に発車。駅を出て橘通りまで出ずすぐ左折し大淀大橋へ。宮交シティへのアクセスも「フェニックス号」時代とほとんど変わらなかったけど、違っていたのはバスターミナルの高速線発着スペースではなく、市内路線バスの発着スペース(県道に面した部分)。
乗務員さんが「福岡行きでーす」と声を掛けているもののこちらにやってくる影は無く乗車ゼロで発車。「フェニックス号」に乗っていると、ここからがこの路線の始まりだなぁって感じがあるけど宮交シティで乗車ゼロって・・・
南宮崎の駅前通りを過ぎて、日南・空港方面のバイパスへ。一通りの車内案内があって終わる頃には宮崎インターに差し掛かっており、いよいよ高速巡航開始。
踏み込む風でもなく防衛運転に徹した淡々とした感じ。
青井岳付近の山岳地帯を抜け平野に出る直前くらいに赤いバスとスライド。宮崎行きの「たいよう号」だ。ほどなく都城北バス停到着の案内が流れた。40分ほどかかっているのだけど景色を見ていたら時間をあまり感じない。
「たいよう号福岡行きです。ございませんかー?」
バス停に乗務員さんの声が響くものの、乗車は無かった。それにしても多くの高速バスが立ち寄るバス停なのだが、待合室がカラッポなのも珍しい。
バスに戻った乗務員さんより、僕が撮影している写真について二言三言ほど誰何された。要約すると「写ってる対象についてのプライバシーには配慮してほしい」との事。聞けば色々とあるそうなので撮影は要点のみに絞ることにしたけど、前面展望とは言え色々と難しい世の中になったのだなぁと思う事しきり。
高原付近より雲が厚くなってきて今にも泣き出しそうな空になってきた。午前中、所用でこの付近をクルマで走ってたけどピーカンそのものでホント天気のいい時に回れたんだと感謝。それにしても変わりやすい天気だ。
小林インター着。ここも乗車はゼロ。次に停まったえびのインターは2往復しか停車しない、その1往復に当たっていた。「はまゆう号」と入れ替わりに到着したがここもゼロ。うーん、この停車便設定は適当なのかなぁ・・・
3回目の加久藤トンネルを抜け熊本県へ。人吉インター到着の案内が流れ、バス停に滑り込むとこっちにやってくる客がいた。良かった。
2人が乗車し人吉発車。改めて到着停留所と時刻の案内が乗務員さんよりあって、続いてビデオ映画が流れ始めた。
確かにこの先は八代までトンネルの連続だから、ビデオは退屈しのぎにはもってこいだ。
球磨川を何回か渡って肥薩線を目で追っているうちに八代インターの巨大な構造物(南九州道)をくぐり、ほどなく宮原SAへ。
ここで10分ほどの休憩となった。先着していた西鉄の高速バスの近くに停まり、ひとり撮影会状態に。5分ほどで西鉄便が先に出発していくと乗務員さんはおもむろにテストハンマーで足回りの点検を開始。
宮原SAを出発すると、悪天候という事もあって急激に日が暮れていくように感じた。19時前に熊本インターを通過したが空の明るさよりもナトリウム灯の輝きの方が目だっていた。
携帯で時刻表を検索していたり、「実況」しているうちに福岡県に突入。20時前に久留米インターに近づくと
「まもなく久留米インターですが、降車変更の方はいらっしゃいませんか・・・」
と案内があった。降車ボタンが押される事がなかったのでスルーしてもよさそうだが、ちゃんと料金所を出てバス停で一旦停止。
再び高速へ戻り筑後川を渡った。これまたナトリウム灯の帯がキレイな鳥栖JCTを過ぎ、3つ目のバス停・高速基山へ。同じように案内があったものの降車希望はなく、一旦停止のち発車。
他の高速バス同様、太宰府インターで九州道から離れ都市高速へ。博多駅東ランプで降りる・・・と思いきやその向こうの千代ランプで高速を降りた。その後の情報で祇園町停車になる関係上、このランプを使うしか選択肢が無いとの事。「フェニックス号」も「たいよう号」運行開始直後から、足並みを揃えて千代ランプで高速を降りるようになったとか。
「まもなく祇園町です。お降りの方はいらっしゃいませんか・・・」
結局、宮崎駅と人吉インターのみ動きがあっただけで、ほぼ定刻に博多バスターミナルの2階に到着。
後続の到着便が迫っているせいか旅の余韻もそこそこに「たいよう号」はターミナルを後にした。
時間帯が時間帯なだけに仕方ない乗車率なのかもしれないけど、色々な乗車レポや運行形態を見る限りまだまだ周知されてないって感じがした。ヲタ的観点から・・・
-宮交シティ乗り場に「立て看板」を置いて告知(現況は埋没してる感じ)
-えびのインターでの乗降扱いは必要?(フェニックス時代の客に配慮か?)
-福岡・山口ライナー号の天神バス停経由にしてはどうか(フェニックス時代の客に配慮するなら)
-タブルデッカーは本当に必要?(目玉商品にしたいのなら台数を確保し、いつも来る体制にした方がブランドイメージを形成し「フェニックス号」との差別化が図れるのでは)
-「高速バスネット」での扱い希望
思い切って「B&Sみやざき号」同様に新八代駅経由にするとか、「たいよう号&きりしま+新幹線往復」「たいよう号+にちりん号往復」(B&Sみやざき号では実施中)といった鉄道との有機的な結合があってもよさそうに思う。
せっかく「フェニックス号」と袂を分かったのだから、「フェニックス号」をなぞるだけじゃなくJRならではの展開を希望したい。
(2011年6月29日乗車)