鹿児島空港滞在10分。最初は1時間くらい撮りバスをしようかと思ったが、
この車を「見てしまったから仕方が無い」って感じで乗車。卸本町中央行き空港リムジン、いわさきバスネットワーク担当便である。路線よりも使われている車に惹かれたのが正直なところで、韓国ヒュンダイユニバース製のバスは見かけることはあっても乗ることはこれが初めてであるからだ。
客は僕1人だけで、ガラガラのまま12時40分に発車。この路線は空港を出ると後は降車専用の停留所が続くだけなので、まさにハイヤー状態。でもって僕の持ってるチケットはフリーパスだから、現金収入が見込めない乗務員さんが少しばかり気の毒な気がするけど、新車の外車を独り占めしてると思うとなかなか痛快だ。
すぐさま九州道に入り高速巡航開始。過給器音が響くかと思ったものの、意外と軽く吹け上がる印象。小さなビビリ音があるものの、国産車よりはむしろ静かなくらい。
座席は観光仕様をそのまま持ってきたような感じで、シートピッチの狭さをやや感じるもののそれほど長距離を走る訳でも無いので、我慢のできる範囲かと。カジュアルに徹している内装は国産にもひけをとらないように感じた。
惜しむらくは、やはりその「ご面相」。フロントマスクの処理はメーカーの意匠なので、いかんともし難い部分ではある。だから「外車だから」と割り切ればいいのだろうけど、どことなく225系を思わせる「鉄仮面」さに愛嬌は間違っても感じない。日本国内の車両がある程度の曲線を取り入れているので、直線を強調しているヒュンダイユニバースのデザインはやはり「異質」に感じる。マイナーチェンジで引き続きこの車が入るような事があるとするなら、ぜひ曲線を利用した「ご面相」を期待したい。
市内行き南国交通の「エアポートシャトル」と並びながら3回目の九州道を通り抜け、鹿児島インターより指宿スカイラインに入った。数本のトンネルを抜け山田インターで高速を降り一般道へ。
最初の停留所・大河内付近はひなびた田園風景だったが、次の皇徳寺郵便局は典型的なニュータウンの中。
山田下、中山団地もニュータウンのど真ん中で多分朝夕の便であればそこそこの利用は見込めそうだ。鹿児島の市街地にある空港行きのバス停に行くよりもはるかに便利だろう。丁度、関西空港~和泉中央間の南海リムジン「Sorae」を彷彿とさせる。
終点まで行くつもりだったが、得意先が近いという事もあって谷山電停で下車。カラになったバスは、卸本町中央を目指して下っていった。外車というとドイツ製やアメリカ製といったイメージが強い中、後発の韓国製はようやくこなれてきたという印象を受けた。日本市場に浸透を図るのであれば、一層のローカライズを願いたいものである。
(2011年6月28日乗車)