旅する炭屋~炭屋さんだって旅したい~

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トワイライト神戸号 阪神尼崎〜鹿児島中央駅前 九州産交バス

黄昏の中に消えるバスに乗ってきた。この11月一杯で運行を取りやめる九州産交が運行する「トワイライト神戸号」に・・・

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梅田から阪神電車で15分ほどで尼崎に着く。近鉄との乗り入れでホームは賑やかになったが改札を抜けて南側のバスターミナルに行くと、どこかうらぶれた雰囲気で静かというよりは寂しさを感じた。

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このような張り紙を見れば尚更なのかもしれないが、この「阪神尼崎」というバス停は一時期はそこそこ賑わっていた。川崎行き「アンカー号」、福山行き臨時便、そして八代行き「トワイライト神戸号」と鹿児島行き「トロピカルライナー号」と東西へ向かう高速バスのターミナルとして毎晩夜行高速バスが発着していた。
それが櫛の歯が抜け落ちるように川崎行きが廃止、福山行きもいつしか自然消滅、そして熊本行きと鹿児島行きが一緒になって1本化され、15年ほどが経ったこの10月に廃止の告知がアナウンスされた。


「トワイライト神戸号」の客らしき姿はパラパラと見受けられた。どの客も傍らに大きな旅行鞄を抱えているので一見してそれとわかった。

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まもなく20時にならんとする頃、1台のハイデッカータイプのバスがやってきた。「サンライズカラー」と呼ばれ親しまれている九州産交の高速バスだ。今夜の宿となる「トワイライト神戸号」熊本・鹿児島行きだった。


「お待たせしました。熊本、鹿児島行きです」

乗務員さんの声に誘われるようにバスの入口に殺到する。といっても客は僕を含めて5人だけ。もっと居たように思ったのはだが、実際は見送りの人が大半だった。トランクに荷物を預けタグ代わりの半券を受け取って車内へ。

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整然と並んだ独立3列シートは夜行バスの標準スタイル。最後部は4列になりがちだがこのバスは最後部まで独立したシートが並ぶ。アサインされた席は「4B」。なんとなく窮屈さを感じたので改札に立っている乗務員さんに「どこか空いている席は無いか」と尋ねたら「後ろの方ならどこでもいいですよ」との事。そこでダイナミックに移動した先は・・・10列目の窓側。座ってみるとエンジン音がやや耳障りかなと思ったがさほど騒がしくも感じなかった。


前に数人。8列目あたりに1人座って発車。やや混雑気味の国道43号を西へ向かう。10分ほどで最初の停車地・阪神甲子園に到着。帰宅客を乗せた市内向けバスがターミナルを埋めており、そこへ割り込むように入っていった「トワイライト神戸号」はなんとなく「余所者」の風情だ。1人乗ってきた。

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このまま国道43号をひたすら走るのか、と思ったら阪神高速の西宮ランプを駆け上がりハイウェイクルージングを開始。僅か20分ほどだったが山手の街灯かりというのも星屑のようで悪くないものだと再認識。神戸生まれの人間が神戸以外の土地から来た人間に「神戸の夜景はすばらしい」と聞かされてもピンとこないが、こうして神戸を離れてみてると再認識するものなのか。
生田川ランプで降りて徳島あたりからの高速バスと併走しつつ2箇所目の停留所・神戸三宮に滑り込む。

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7人ほどが乗り込んできたが、そのうちの1人が予約ナシのいわゆる「飛び込み客」。乗務員さんがカバンを開けて色々と書類を書き込んで忙しそうだ。荷物のハンドリングにも結構手間取っているようだったがドアが閉まって動き出したのは定刻の20時55分。案外時刻表通りに出発できる事に少し驚く。


フラワーロードを下り、京橋ランプから再び阪神高速へ。交通量が多いせいか時折つんのめる。交替の乗務員さんがマイクで車内案内をするが最後部にいるとなかなか聞こえ辛い。車内中間部右側に設置されたビデオであらましは理解出来たがあまり後ろの席に陣取るもんじゃないと反省してみる。
案内が終わるとDVDの映画放映に切り替わった。洋画が流れていたが何となく観る気はおこらず、夜景をずっと眺めていた。

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月見山で阪神高速から第二神明へ。明石西からは加古川バイパスへ。さらに高砂からは姫路バイパスへ。結局播但道から山陽道へ入るルートまで全部見ていた勘定に。夜行バスに乗ると何となく寝るのが惜しい、というのはヘンなのだが「せっかく高い運賃を払ったんだから全部見たい」というマニア心が目をパッチリ開かせていたように思う。学生の頃はその精神で神戸~福岡間を徹夜してみたり、最近でも休憩地ごとに全部降りてみたりと・・・傍から見れば奇態な行動をとっているように思われるが、本人はいたって真面目なのだから始末に負えない。


赤穂を過ぎたあたりから眠くなり、ふとエンジンの回転数の落ちる音で気がついたらどこかのパーキングエリアに入っているくところだった。やっぱりトシをとっているんだなと実感・・・

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停車したのは岡山県の瀬戸パーキングエリア。以前鹿児島方面の夜行バスに乗った時は三木SA(阪急バス)や福石PA(近鉄バス)だったので今回も福石くらいかな・・・と思っていたら大方の予想を外した格好に。時刻は22時42分、外はうっすら寒い。ほとんどの客が降りてトイレに行ったりコンビニに駆け込んだりと思い思いに過ごしていた。
ブログ用にと数枚のカットをカメラに収めた後、コンビニに行き夜食用のオヤツを買い込み車内に戻った。ドアが閉まると「明朝の植木インターまで消灯します」と簡単な案内の後にスッと車内灯が消え予備灯だけになった。その予備灯も動き出して5分ほどしたら消えた。これじゃオヤツを食べてる間なんて無いなと観念し毛布を被る。
時折携帯(Xperia)を出してGPSで位置確認。倉敷付近を走っている事を確認して目を閉じる。


コトンと小さな音があってふと目覚めるとどこかのPAに停まっているようだった。GPSを見ると「宮島SA」・・・時刻は1時過ぎ。まだまだだなと思って再び寝る。次に停まった気配でまた目が覚める。時計は午前3時半で見ると「吉志PA」。もう九州に入ったのだがまだ真っ暗でイマイチ実感が湧かない。


「おはようございます。まもなく植木インターです・・・」


なんとなく遠慮気味の声で車内放送が響く。時刻は5時過ぎでまだまだ真っ暗。これから延々鹿児島までこまめに停車していくのだ。高速バスというと都市間輸送の代名詞のような存在だが、「トワイライト神戸号」はそれまでの八代行きと鹿児島行きを合併した路線なので2つの路線の停留所を1つの路線にすべて盛り込んだ格好になってしまい、「都市間輸送」とは程遠い存在になってしまった。

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その植木インターでは2人下車。5時過ぎという時間にもかかわらず客待ちのタクシーがいることに驚いた。次の武蔵ヶ丘は降車無しのため通過し、そのまま熊本インターで高速を降りた。松の本も降車がなく次に停まったのが県庁前。インターから市街地へ向かうこの道も昼間は混雑のためスムーズに走るのが至難の業だが、6時前とあっては閑散としたものであっという間に通町筋までやってきた。ここにも高速バスの停留所はあるが夜行便では客使いはしないはずだ。が、「トワイライト神戸号」は停車。床下の仮眠室から交替の乗務員さんが出てきて運転室に合流した。昨夜はトイレ横の通路から仮眠室に入っていったのだが・・・

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5時49分、熊本交通センター着。6人ほどが降り車内は一気に寂しくなる。尼崎からの乗務員さんはここでバスを離れ新たなペアの乗務員さんが乗り込んできた。例によってそのうちの1人が仮眠室に潜り込んでいった。バスの横には1台のライトバンが横付けされており、これで営業所まで帰るのだろうと推測。お疲れ様でした。


南環状線という道路を走っているとシラジラと夜が明けてきた。まだまだ交通量は少なく快調に走り御船インターから再び九州道に乗った。福岡発の昼行路線の休憩地―宮原SAをすっとばし八代インターへ。

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ここでも1人が下車。ここまでが「トワイライト神戸号」で、ここから先は「トロピカルライナー号」だった頃のルートを辿る。もっとも開設当初は熊本~八代間は下道経由だったり、鹿児島線も単独時代はこの先の人吉インターには立ち寄らなかったので純粋な合併路線という訳ではないのだが。


ここからは球磨川沿いに進むため、雄大な川の流れを見れるなど景色は中々良いが、急峻な山間を抜けるため23のトンネルの「洗礼」を受けた。鹿児島交通と共同運行していた頃の休憩地「山江PA」をあっさり通過。休憩は無いのだろうかと少し不安になる。

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それまで快晴だった空が人吉付近になると一面の霧に覆われた。川霧が出ると天気が良いとは言われているけどこの霧の濃さはハンパではない。そんな霧の中を進み人吉インターに停車。ここで1人が降り車内は僕とあと1人だけとローカル線顔負けの閑散ぶりに。もはや夜行高速バスに乗っている雰囲気ではなく、南九州のいちローカルバスにでも乗り合わせたかのような錯覚に陥る。


霧のためかそれほど速度を上げずじりじりと登り加久藤トンネルへ。抜けるとそこは宮崎県でうっとおしい霧の風景が一変し、南国らしい茫洋とした平野が眼下に広がった。ほどなくえびのPAに滑り込み、

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「こちらで最後の休憩をとります。15分ほど停車します」


との事。えびのPAで休憩なんて学生時代に乗った「きりしま号」の南九州高速バス便以来だなぁ・・・。色々とカットを撮っていると交替乗務員さんも仮眠室から出てきた。ふと上を見上げると、

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有名な「えびのループ橋」がこちらを睥睨するかの如く鎮座していた。そういや路線合併が94年、人吉~えびの開通は翌年だからこのループを1年間だけだけど「トワイライト神戸号」も走っていた事になる。


ドアが閉まると、乗務員さんから「鹿児島市内まで直行します。空港では降りられませんね?」と確認する旨の案内があった。宮崎道が分かれてしばらくすると、

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鹿児島県に入った。時刻は7時50分頃。大阪からの「さつま号」や「トロピカル号」はすでに鹿児島市内の終点に到着している頃だ。軽いアップダウンを越え予告通り鹿児島空港南のバス停は通過。

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頻繁に鹿児島市内と空港を結ぶリムジンバスとすれ違う。加治木を過ぎ左手には、

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桜島を望む。煙は噴いていないが、なだらかな裾野は「小富士」の様相すら感じる。姶良台地に入ると交通量は目に見えて増加し昨晩以来のスムーズさは無くなった。
薩摩吉田インターで九州道を出て今度は県道を吉野台地へ。

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ここは南国交通のエリアで、頻繁に路線バスとすれ違う。市内まで30分とかからないこの吉野台地は鹿児島のベッドタウンらしく新興住宅地が沿線にずらりと並ぶ。大型バスには辛い対面通行もいずれは片側2車線になるのだろうけど、その完成時にはこの「トワイライト神戸号」が走れないというのはなんとも寂しい。

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国道10号と合流する清水町でやや渋滞にハマったが、遅れというほどのものは感じず市街地へ。旧カラーの市電が「トワイライト神戸号」を出迎える。鹿児島でも随一の繁華街・天文館の停留所も通過・・・

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鹿児島中央駅が前方に見えてきたと思ったら、その駅前通りを左折し停車。ここが「鹿児島中央駅前」停留所だった。終点の高速船ターミナルまで乗りたかったが、仕事のスケジュール上ここで下車せざるを得ない状況に。あと1人の客もここで降りたので多分このまま車庫へ回送なのだろう。


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そもそも路線合併した時点で「どっちつかず」な路線になってしまった感は否めなかった。下りの場合、熊本で降りるにも朝が早すぎるし、鹿児島まで乗ると生活のリズムからすればちょっと遅い感がする。上りの場合は両都市ともにベストな時間帯に発車するだけに惜しい気がする。
路線の運行を中間事業者である九州産交のみで運行していたというのも考えてみれば不思議なもので、両端の都市の事業者である阪神電鉄(現・阪神バス)と鹿児島交通(現・いわさきバスネットワーク)がそもそもこの神戸~鹿児島間の路線を開設したはず。それを結果的に後から路線合併で加わった九州産交に「丸投げ」したカタチになってしまい、それが路線の破綻の遠因になっているように感じる。


熊本単独路線時代からすれば20年の運行は、改廃の激しい鹿児島関連の路線にあっては「長命」な部類だった方かもしれない。今後は熊本側は現行の「サンライズ号」と「トロピカル号」が代替という事になるのだが、神戸停車は今のところ計画されていない。神戸~九州間の需要はまったく無いわけではないのだから、何とか実現されることを切に願う。(12月以降は神戸からの九州行きは神姫関連の長崎行きのみ)

 (2010年10月17日乗車)

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